日本が低迷を脱する特効薬は・・・
これは419回目。
どうして日本はなかなか浮上しないのでしょう。これだけの類まれな資質を持ちながら、1990年以降、まったく音無しの構えです。頭が古すぎるのです。
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誰の頭が古いのか。やはり経済学者と経営者だろう。
労働生産性がどうしても上がらないのだ。だから、何年たっても、先進国どころか中進国にすら追い抜かれてしまっているありさまだ。
労働生産性とは、労働搬入量(労働量X時間)に対してどれだけの付加価値を生んだかという計算だ。
これが、ことさら日本は低いのである。下がることはあっても、上がることはないのだ。どうしたことだろう。
労働人口は減り続けているから、パイ全体がよほど落ち込まない限り、労働生産性が上がっても不思議はないはずなのに、全体のパイも減り続け、労働生産性は低下し、所得も減っている。
これがデフレ構造そのものなのだろう。
ここは考え方を一変させて、労働生産性を上げるために、賃金を上げるという逆転の発想が正しいのだろう。
いやいや、それは経済原理からは矛盾だろう、と専門家は言うのだろうが、あなたたちの言ってきた通りにやって、このざまなのだ。経済学者も経営者も、総懺悔してもおかしくないはずではないか。
違うことをしなければ、旧体制は転換できないのだ。
としたら、まさに逆転の発想で、賃金を上げるための労働生産性という発想をしても良いのではないか。
およそ米国連銀や英国中銀など、アングロサクソン系の中央銀行のコンセンサスは、労働分配率の低下こそが最大のデフレ要因だとはっきりしている。
となれば、デフレ的な社会構造をいまだに有している日本でまずやらなければいけないことは、労働賃金の持続的な引き上げ以外にない。
成果報酬として、大きな利益に寄与した労働に対して賃金を多く払うといったような綺麗事ではなく、一律、それも規則的に、賃金引き上げをすることが重要なのだ。
要するに、モチベーションの問題だ。やる気のある人間というのは、その対価としての賃金が多少齟齬をきたそうと、やりたいこと、向かうゴールがはっきりしているから、それでも働くのだ。
そうではない大多数の労働者にモチベーションを与えるとしたら、それは生活の安定と保証しかないではないか。
欧州ではこの発想ですくなくとも日本よりも労働生産性を高めている。日本では最低賃金を引き上げたら生産性が上がらないなどと、百年同じことを言っている学者や経営者が多すぎる。
では、どうしてかつて斜陽の国と皮肉られた英国でそれができて、日本にそれができないのか、それをはっきり論証してみよと言いたい。
できはしないのである。ただ、固定観念にとらわれていて、結論ありきだからだ。
この日本のあらゆる意味における頑迷さ、頑固さ、融通のきかなさ加減もたいがいにしたらいい。
実際欧州でこうした取り組みをした国々は、最低賃金を引き上げても、失業率は低下しているのだ。
その意味では、安倍政権が企業に対して賃金アップを要請し続けているのは間違いではない。