血液型~違いがあるに決まってるじゃないですか

雑話

これは19回目。血液型の少し深いお話です。そんなものはデタラメだと言うひともいます。が、物事、違うという以上、必ずそこには意味があります。意味が無いなら、血液型が違うわけないじゃないですか。

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日本では血液型による性格判断や占いが、折に触れてブームになる。外国では、ほとんどそういう現象はないらしい。日本でも血液型にまったく興味のない人はいるが、一般には話題にしやすいのか、けっこう人気がある。これも地政学と同様、一種の擬似科学として取り扱われているものの一つだが、学者たちからは地政学以上に馬鹿にされている分野だ。

血液型というのは、血球の持つ抗原の違いによる分類のこと。1900年にオーストリアのラントシュタイナーが初めて発見し、ABC型と名づけ、1902年についでAB型が発見された。C型はその後、O型に変更されている。これらが個人の性格などを決定する大きな要因になっているのか、まだ立証はされていない。ただ、違いがあるということは、当然個々の人間性や気質に影響がまったくないとは言えないのだろう。

旧陸軍では、試みとして血液型別に部隊編成をするということが行なわれた。一応、勝ち戦(いくさ)ではO型やB型の人間を前面に出し、撤退戦ではA型をしんがりにすると効果的などという結果も出たようである。だが、あまり実戦に使われた形跡がないことをみると、それほど確率の高いものではなかったのかもしれない。

警視庁では、重犯罪者の逃走パターンにかなり傾向性が見られる、という話を聞いたことがある。たとえば、O型の犯罪者は、国外へすぐに高飛びをするパターンが多く、A型は潜伏して様子を見る。B型はあちこちで似たような犯罪を繰り返し、大騒ぎをしながら逃走を続けるからすぐ居場所が判明してしまうといったようなものだが、あまりにもできすぎた話で、真偽のほどは分からない。

ただ、民族別で見ると、何らかの形質というものがうかがわれる。たとえば、欧米の白人国家群では圧倒的にO型が多数派である。一方、アジア大陸では、世界に冠たるB型ゾーンと言える。とくに、中央アジアから中東にかけてのアジアの三日月地帯は、まさにB型密集地域だ。太平洋島嶼(とうしょ)民族もB型ゾーンだという。となると、狩猟系の民族にO型が多く、草原・平原や海洋といった非常に見渡しの利く風土では、B型が多いということにでもなろうか。

面白いのは、A型の存在だ。O型世界の欧州にあって、唯一A型が多数を占めているのがドイツである。また、同じくB型世界のアジアにあって、唯一A型が多数を占めているのが日本である。両国とも森が多く、湿度の高い地域であり、いずれも見通しの利かない風土だ。歴史的にも、我慢に我慢を重ねて最終的には暴発し、世界を相手に戦争をするなど、確かに行動原理に似たようなところも感じられる。

しかし、同じアジア系でも南北アメリカ大陸に分布する、いわゆるアメリカ・インディアンには、圧倒的にO型が多いそうだ。これはどうしたことか。B型ではないのか。聞けば、アリューシャン列島が陸続きであるときに、アジア大陸から北米大陸へ多くのアジア原人が移動をした。このときたまたま、O型が多かったという偶発的な理由だとされている。考えてみれば、そうした大胆な移動を試みる気質こそ、O型特有のものなのかもしれない。しかし、偶然なのか気質なのか、ここでもやはり議論は平行線である。

ただ、こうした気質というのはどの血液型にも基本的にはあるものだ。違いがあるといっても、現れ方の違いにすぎないのかもしれない。

たとえば、組織集団のトップに立った場合を考えてみよう。A型だろうと、O型だろうと、集団のトップに立つ人はいるのだ。ただ、そのトップのありようが、血液型で結構タイプに違いがあるかもしれない。

A型の人間は、いかにもリーダーという風情の人が多い。O型は親分という感じらしい。B型はもっとくだけていて、親方タイプと受け止められる。AB型はというと、調整バランス型のイメージ、調停者という感じだろうか。参謀役だったらその気質が最大限に発揮されるが、トップに立った瞬間、持ち味が消えてしまう・・等々。

血液型の相性などというのもよくいわれるが、同じように考えると、所詮、「相性の合い方」や「合わなさ加減」が、それぞれ異なるということなのだろう。

話のネタ、余興としては面白い。ただ、血液型の判断基準にどっぷりハマってしまい、人生観まで当てはめようとする人がいるから、要注意だ。占いもそうだが、それ以外のことが見えなくなってしまうようだと、逆に面白さ半減である。

もっともわたしの母親はずっと、B型だと言っていた。わたしもB型だ。しかし、どうもわたしは、むかしから母親と舌戦を繰り広げることが多かった。わたしのほうから言わせてもらえば、どうも彼女の言うことは、5分か10分でころころと変わってしまうのだ。それもあっさりである。しかもきわめて理路整然とした理屈がちゃんとついている。

仲が悪かったわけではないが、まあよく言い合いになったものである。(今でもそうだが。彼女は87歳だ)ところが、つい最近、なんと彼女はAB型であることが判明した。本人もびっくりである。曰く、「いや驚いたよ。血液型って変わるんだねえ・・・」。それを聞いたわたしのほうが、呆気にとられた次第。



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