反共宣言~白色革命の道

政治・経済, 歴史・戦史

これは456回目。

一つの妖怪が世界を徘徊している。
共産主義の妖怪が。
もはやとうの昔に滅んだ絶滅危惧種のはずだ。

共産主義者には異名がある。
スターリン主義、ナチズム、ファシズム、最近ではリベラルなどと詐称をし、さも自由主義者であるかのような偽装をしているから騙されてはいけない。

名称が変わっても、中身は同じだ。
要するに、かつてバクーニン(無政府主義者)が、マルクス(共産主義者)を罵倒したときの言葉をそのまま引用すれば、『国民の幸福を、国民よりもよく知悉していると勝手に自称する、特権階級(既得権者、エリート)たちによる一方的な支配、つまり独裁』にほかならない。

時代が変わり、その名称や定義は変わっても、本質はなにも変わらない。
要は一部の特権階級による独裁にほかならない。
富と利権の独占と、民衆を隷属状態に置い続ける社会装置を使うという点ではまったく同類なのだ。

そうなのだ。
難しい話ではない。

古来、人類が国家の再構築を繰り返してきた歴史というものは、一貫して一つの目標に向かっていた。
個人の自由、それだけである。
その価値を分解すれば、基本的人権、そして社会的公正ということにほかならない。
その二つが、個人の自由を支える不可分の要素だからだ。

その獲得のために、人類はどれだけの血を流してきたことだろう。

古くは、神威(宗教的権威)に寄生した血統による支配からの自由を求めた。
絶対的権威の一方的支配を、人類は拒否したのだ。
1789年のバスチーユ牢獄襲撃に始まるフランス革命は、その嚆矢だったと言える。

やがて、富や利権を持つものによる支配(独占企業体によるカルテル)から、持たざるものが自由を求めて立ち上がる運動が起こった。人類はこれまた拒否した。
持てるものによる一方的な支配を、持たざるものが打ち砕いた象徴的な事件は、1917年のロシア2月革命がそうだ。

間違ってはいけない。
ロシア2月革命は、共産主義革命などではない。本来、自由を求めるアナーキストによる全国的な革命運動だったのだ。
共産主義者たちは、あたかも自分たちがアナーキストであるかのような偽装をし、革命の主役であったアナーキストたちに紛れ込み、途中からクーデターで権力を簒奪したにすぎない。10月革命とは名ばかりで、革命でもなんでもない、ボルシェビキ・共産党が革命を「盗んだ」のだ。
共産主義者は、この「偽装」と「盗む」ということが大好きだ。

マルクシズムとは、経済学理論でもなければ、政治理論ですらない。ただの権謀術数の犯罪指南といっても過言ではない。

未だに大学で、一個の精緻な経済学理論であるかのように講義をしている教授連中が飯を食っていることが、ほとんど信じられない。その大学もそのていどのものだということなのだろう。

今般のアメリカ大統領選挙を見るがよい。
中共と結託した民主党、大手メディア・SNS・ハイテク、州政府や裁判所までがこれに加担して、勝利の選挙結果をトランプから盗んだのだ。

しかし今や、再びわれわれの自由を簒奪し、奴隷状態に置こうとする妖怪が蠢いているのだ。

ふと立ち止まってみると、この共産主義という妖怪は、とうに流行遅れになってしまったのではなかったか?
1990年、共産主義の悪夢はロシアにおいてわずか70年のうちに潰え、ソビエト連邦が崩壊した。
これで前時代的な邪悪も命脈が断たれたと、確かにわたしたちは思った。
しかし、実はそうではなかった。
中国共産党というほそぼそとした種火は、まだくすぶっていたのだ。

1989年6月4日の天安門事件は、この共産主義の種火を永久に消し去ってしまうには絶好のチャンスだった。
が、西側は中共が抱える10億人という国内市場に幻惑され、手を差し伸べた。

とくに、当初中共の民主主義運動弾圧に、拒否反応をしめした西側諸国が多かった中で、あろうことかこの日本が率先して天皇陛下を中共に送り込んで、融和に務める大役を果たしてしまった。
天皇陛下をこのような邪悪な政治目的に利用した日本の政界・官界は断罪に値する。
そして、今日中共が世界の自由と民主主義にとって最大の癌細胞と化してしまった、その一番最初の大罪を犯した日本の歴史的な錯誤は、国家民族の恥といっても過言ではない。

毛沢東の荒唐無稽にして無謀な共産主義国家経営は当時、すでに大失敗に終わっていたのだ。
ルドルフ・ラムルの試算では、1949年の中華人民共和国成立以来、累計7700万人の中国人民がその犠牲となったとされている。
ソ連(ロシア共産党政権)のスターリンが行った大粛清の犠牲者6000万人を遥かに超える規模の大量虐殺を行ったのが、中共という犯罪組織にほかならない。
権力闘争にあけくれ、人民の生活を一顧だにしなかったツケは大きかった。
文化大革命がようやく終息した1978年には、この中共(中国共産党政権)は息も絶え絶えとなり、前時代的邪悪の残滓に過ぎなくなっていた。
それに手を差し伸べたのは、言うまでもない、アメリカや日本、そして西欧の自由主義諸国だった。
自由主義諸国の人々は、この歴史上最大の過誤を猛省すべきである。

30年近くにも及んだ共産主義革命によって破綻した中国の経済を支援することで、自由と民主主義の価値を共有できる日がきっとくると、わたしたちは愚かにも信じたのだ。

この頃すでに、ただのスローガンだけになっていた共産主義の旗を下ろし、世界経済の繁栄に大きな貢献をしてくれる新たな友好国として成長していくだろうと期待したのだ。

英国は、植民地・香港を、中国本土よりはるかに素晴らしい自由と民主主義、そして繁栄する経済社会に育て上げ、未来永劫の友誼の証として、中共に返還した。
1997年のことだ。

香港の繁栄を見るにつけ、それが将来の中国だとわたしたちはみな信じた。
その香港がいまや、暗黒に満ちた過去の中共の姿になろうしていると、一体だれが想像しただろう。

それは大きな間違いだった。
共産主義は、しょせん共産主義だということを、近年思い知らされることになったのだ。

中共は、わたしたちから得たものを自身の政権強化に都合よく使うばかりで、中国国民はその隷属的支配の下で呻吟しているではないか。

彼らはインターネット技術の進歩と、湯水のように流れ込む自由主義社会の膨大な資金を最大限に活用し、その「おこぼれ」をばらまくことで人民の怨嗟をガス抜きしつつ、一方では「英明なる共産党の指導」が大きな経済成長を果たしたと喧伝し、その権力の独裁化にこれ努めてきた。

一方自由主義諸国の企業は、その膨大な人口という市場に浮足立ち、不都合な真実にずっと素知らぬ顔をして目をそむけてきた。
法輪功の学習者たち、香港の民主化運動家たちが、チベット族が、そして今また、ウイグル人や内モンゴル人が、おぞましい民族浄化の憂き目に遭っていることか。

人類に対する犯罪のとりわけ目を覆うような中共の仕業は、反体制派を監獄に容赦なく送り込んだり、強制労働を強いたり、少数民族の言語を消滅させたり、漢民族との強制婚姻によって民族そのものを絶滅させてしまったり・・・はては、彼らを生体のまま臓器移植の犠牲にしたりと、言葉に言い尽くせないものがある。

中共は、臓器移植は死刑となった者を対象にしていると、ずっと言い続けてきたが、大量処刑者数で知られる中共とはいえ、せいぜい年間1000人前後の処刑者数にすぎない。
年間1万人を超える臓器移植という現実は、それがとんでもないデタラメな言い訳であることは言を待たない。

なぜ、これだけ異常な臓器移植を、反体制派だというだけで、無実の人々に強いてきたのか。
答えは簡単だ。
利益になるからだ。
年間2兆円にも達しようという急成長産業にほかならないからだ。
利益、それも共産党幹部や、これに追従する官界・財界が独占する利益を極大化するためなら、人間の命など物の数ではないというのが、中共という政権の本性にほかならない。

わたしたちは、「内政不干渉」という大人の対応で、その非人道的な中共の犯罪に目をつぶってきたのだ。
その意味では、わたしたちの政府も、企業も、学界も、みな人類に対する犯罪の重大な加担者に成り下がっていたことを激しく後悔しなければならない。

国連では39ヶ国が、中共のウイグル人弾圧の非難決議をしようとしても、45ヶ国が中共を擁護して否決された。
国連ですら、すでに中共の贈収賄工作により、その人事的影響力に機能不全をきたしているほどだ。

中共内部における恐怖政治にとどまらず、それはわたしたち自由主義諸国の内部にまで深く侵食してしまっていることに気づかなければならない。
自業自得とはこのことだ。

中共では共産主義と呼ばれているが、一蓮托生の妖怪たちは、わたしたち自由主義社会ではリベラルという名で、あさましいほどの偽装をほどこしている。
共産主義、スターリン主義、ナチズム、ファシズム、リベラル・・・どれも同じことだ。
時代が変わり、その名称や定義は変わっても、本質はなにも変わらない。
要は一部の特権階級による独裁にほかならない。
富と利権の独占と、民衆を隷属状態に置い続ける社会装置を使うという点ではまったく同類なのだ。

過去の歴史との大きな違いは、インターネット技術の進歩によって、既得権者たちがいまだかつて経験したこともない膨大なマネーの信用創造と、不都合な真実を隠蔽しつくすことが可能な世論の情報操作や監視体制が可能になっているということだ。

リベラリズムなどと、さも自由主義を標榜しているかのように見せかけているが、実際には国家・社会レベルでの大規模詐欺に等しい。
女性や、移民、LGBTなど、社会的弱者や少数者の権利をことさら謳い上げるのは、巧みな人心掌握のための「餌」にすぎない。
それによって支持者を増やし、いかにも法的手続きに則って権力維持につとめる。

人類が営々として築き上げてきた自由社会は、いまや風前の灯と化している。

それでもまだ自由社会の企業たちは、中共が有する巨大消費市場に未練があるらしい。
ウイグル人や、法輪功学習者たちが、生きたまま臓器売買の犠牲にされている恐るべき現実を、あたかも知らないかのように振る舞い、中共に唯々諾々としている醜態は、断罪に値する。

わたしたちはこの世界人類に対する大規模な国家的犯罪組織・中国共産党の破壊、破滅をすべてに優先して遂行していかなければならない。

歴史の前に立ち、わたしたちが永遠に後悔しないためには、自由を求める人々は立ち上がらなければならない。

今、アメリカがその先鞭を切って逆襲に転じようとしている。
人類にとって、自由と民主主義の偉大な実験室であるアメリカが、中共と結託したリベラルに偽装したファシストたちによって揺らいでいるのに対し、トランプという一人の男が必死で抵抗している。

すでに西側社会の深部にまで、彼らの魔手は浸透しており、実質支配が進んでいる。回帰不能点に至るまでにこれを覆さなければならない。
これは、革命である。
白色革命と呼んでも良い。

自由と独裁の間に、中立などない。
立場をはっきりさせよ。

たった一人の声が、十人、百人、万人、億人と津波のようなうねりを起こす。
その咆哮こそが、中南海に巣食う犯罪者たちの死命を制する。

万国の自由主義者よ、声を挙げよ。