続・ミッシング・リンク~日本人に差し込まれた遺伝子

宗教・哲学

これは64回目。ミッシング・リンクの続きです。今度は、ヒトではなく、日本人です。おかしなことがあります。ミイラ(と称されるもの)や、オーパーツの類は、偽物・捏造品(フェイク)であったりすることも多いようです。手の込んだ悪戯をしたがる人も多いからでしょう。では、遺伝子レベルになったらどうでしょう? フェイクはありうるのでしょうか。

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たとえばほとんどのUFOの写真・動画がウソだとしても、たった一つでも本物があったら、それは事実だということになる。おびただしいフェイクというものは、うがった見方をすれば、たくさんのフェイクをバラ巻くことで、真実を薄め、覆い隠してしまう作為的なカモフラージュだとしたら?

しかし、それも遺伝子レベルになると、捏造は不可能だろう。遺伝子のハプログループというものがある。

ヒトがアフリカにいた一人のイブ(女性)から分化した、とよく言われる。女系に受け継がれるミトコンドリアDNAの系統、ミトコンドリア・イブだ。では、父系はどうだろうか。

実は、これも系統があるのだ。父系にだけ受け継がれていくY染色体がある。そしてヒトの男性は古い先祖から次々に分かれてきて、現在世界中には大きく分けてA~Tまで20の遺伝子グループがある。この内、古いタイプは確かにアフリカに多いが、実は日本人の中には比較的古いと見られるDタイプの人がいると判明している。

このハプログループはDとEがあり、ほかのものとは決定的に違う点があるという。ハプログループDEは、特殊なYAPという変異が確認されているのだ。

YAPというのは、Y染色体の長腕部上にある約300塩基からなる配列に、M1と定義されている変異の痕跡があるものをいう。遺伝子上の特殊な「傷」といってもいいかもしれない。何らかの要因で、父系に継承されるY染色体上のDNA配列に、「差し込まれた」ものである。これが、自然発生的な、いわゆる突然変異であるのか。それとも何者かによる「作為的なもの」であるのかでは、話が天と地ほど異なってしまうが、このことはわからないことなので棚上げしておく。

このYAP遺伝子だが、生体内での働きについては未解明である。YAP変異をもつ系統はハプログループEとハプログループDに限られるそうだ。
現生人類の共通祖先発祥の地は東アフリカのトゥルカナ湖の東北附近だという。約6.5万年前に住んでいた一人の男性にこの変異が起こり、父系で遺伝するY染色体ハプログループのうち「YAP(M1)」と呼ばれるハプログループDE系統が生まれた。その後6万年程前にこれが更に2つ集団(ハプログループ)DとEに分岐した。

このうち、アフリカにとどまったり、あるいはで戻ったりして、アフリカ大陸全土や地中海地域やヨーロッパなどに父系を通じて広がった集団がハプログループE。

分岐に東方に向かい、チベット・アンダマン諸島・ヤオ族・フィリピンのマクタン島・グアム島・日本列島などに父系を通じて広がったのがハプログループDだという。

Y染色体のYAP型は東アジアでは日本人にしか見られず、昔からいた人たち特有のものと考えられている。つまり、縄文人だ。後から大陸から入って来た弥生人にはこれが見られない。
逆に、縄文人の一角をなしていたと考えられるアイヌ人、琉球人で頻度が高い。アイヌ民族の88%にみられるという。沖縄もこれに近い。日本人全体に占めるYAP型はおよそ30数%。つまり、日本人男子の約3分の1が、このYAP型を有しているという。ちなみに、わたしはハプロCタイプなので該当しない。

朝鮮や中国には完全にない遺伝子で、ユーラシアでもほとんど見つからず、日本以外で唯一見つかるのはチベットだけだという。55%がYAP型だという。あとは、「かたまり」で集中して確認されているのは、インド洋に浮かぶ、アンダマン諸島だけだ。比率は同じようなものらしい。

ということは、アジアにおいては、このYAP型というのは、チベット、アンダマン諸島、日本列島と、要するに陸の孤島(チベット)や、絶海の孤島(アンダマン諸島)や、大陸の果ての隔絶地域(日本)にしかないということになる。

驚くべきことに、世界では中東、それもイスラエル(ユダヤ人)このYAP型を有する圧倒的な地域であることが確認されている。イスラエルは後でユダヤ人が入植した経緯からすれば、要するにユダヤ人がそもそもこのYAP型であるということになりそうだ。

さて、またここで日本人とユダヤ人の、「同祖論」が台頭してくる素地がある。俗に「日ユ同祖論」というのは、これまでただの都市伝説として語り継がれてきた。

ヘブライ文字と、カタカナがあまりにも酷似していて、同じではないかと思われるような近似値もその都市伝説だった。(ネット上には、この比較図がよく出ているので、一度ご覧になってみたらいかがだろう。本当だとすれば、まるで同じとしか言いようのないものが、一つや二つではないのだ。)

つまり、中国伝来の漢字をくずしてつくられたのが、平仮名・片仮名だという定説は、もしこのYAP遺伝子が事実であるとしたら、根底から覆されることになりかねない。片仮名はヘブライ文字が縁起であるということになってしまうからだ。

あるいは、日本語の中に多数見出されるヘブライ語との近似値も、従来は都市伝説だった。ネットでこの種の近似値を調べているところがあったので、そこから若干でも拝借してみると、こんな近似値があるという。すべてヘブライ大学の元学長シロ二ー教授の作成した比較表からの抜粋である。

(日本語) (ヘブライ語)
ヤッホー=ヤッホー!(神様)
ヨイショ= ヨイショ(神が助けてくださる)
ワッショイ=ワッショイ(神が来た)
ハッケヨイノコッタ=ハッケ(撃て)ヨイ(やっつけろ)ノコッタ(打ち破れ)
ジャンケンポン= ジャン(隠して)ケン(準備)ポン(来い)
ヤマト= ヤゥマト(神の民)
かんぬし(神主)= カムナシ(長)
サア= サア(出発)
ミヤ(宮)= ミヤ(神様のいる場所)
アリガトウ = アリ・ガト(幸運、神への感謝)
ミコト (尊)= マクト (王、王国)
アスカ (飛鳥)= ハスカー (住居)
ヌシ (主) = ヌシ (長)
サムライ(侍) = シャムライ(守る者)
ヤリ (槍) = ヤリ (射る)
ダメ (駄目) = タメ (ダメ・汚れている)
ニクム (憎む) = ニクム (憎む)
カバウ (庇う) = カバア (隠す)
ユルス (許す) = ユルス (取らせる)
コマル (困る) = コマル (困る)
スム (住む) = スム (住む)
ツモル (積もる)= ツモル (積もる)
コオル (凍る) = コ-ル (寒さ、冷たさ)
スワル (座る) = スワル (座る)
ハカル (測る) = ハカル (測る)
トル (取る) = トル (取る)
カク (書く) = カク (書く)
ナマル (訛る) = ナマル (訛る)
アキナウ(商う) = アキナフ (買う)
ヤケド (火傷) = ヤケド (火傷)
ニオイ (匂い) = ニホヒ (匂い)
ワラベ (子供) = ワラッベン(子供)
アタリ (辺り) = アタリ (辺り)
オワリ (終わり) = アハリ (終わり)

古代ヘブライ語との近似値もおびただしいらしい。その調べによると、こんな感じのようだ。

オイ(泣く)
オニ(私を苦しめる者)
オハリ(終端)
カサ(傘)
グル(団結する)
コホル(凍る)
サラバ(さようなら平安なれ)
スケベー(肉欲的に寝る)
ソーラン(注目せよ)
ダベル(しゃべる)
ダマレ(沈黙を守れ)
ドスコイ(踏み落とせ)

わたしはヘブライ語がわからないから、「ああ、そうなんですか」としか言いようがないのだが、仮に当たらずと言えども遠からずであるとしたら、これだけの近似値(しかもここで拝借してご覧いただいたのは一部である。そのネットのブログによると、500は少なくとも近似値があるとしている)が事実だとすれば、日本人というのは縄文人(ユダヤ人と同じYAP型である)、南方渡来の縄文人(マラヤ・ポリネシア系)、アジア大陸から渡来したツングース系(モンゴル・満州・朝鮮)と漢民族系など、多重多層構造で民族形成がなされ、あたかも単一民族かのように純粋培養された特殊な民族ということになる。

ユダヤ人のうち、熱狂的なシオニズム信奉者は、ユダヤ国家滅亡の折に失われた十氏族が世界に流浪し、チベットや日本に行き着いた、と考えたいようだが、そういうことなのか。それともただの偶然にすぎないのか。それが白人種か、黄色人種か、黒人種かはまったく関係ないのである。特殊な遺伝子を共有するかどうかが、この議論のポイントである。

トンデモ話の類も、こと遺伝子にまで話が及んだとき、ただの妄想で片づけられるとも思えないが、みなさんはどうだろうか。



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